山田緑地について

 

北九州市小倉北区の南西部に位置する山田緑地は、およそ140ヘクタールの広域公園です。

第二次世界大戦から戦後にかけて日本軍やアメリカ軍により弾薬庫として使用され、約半世紀にわたって一般の人々の立ち入りが制限されたため、宅地開発などの開発行為の手が加わらず森の環境が保たれてきました。

 

都心部から程近くに残されてきたこの貴重なエリアについて、自然環境を守りながら市民の憩いの場として活用するため、北九州市は芝生広場や自然観察路を整備して、1995年(平成7年)に「北九州市立山田緑地」がオープンしました。

開園前に実施された生物調査では、植物は528種、昆虫は1,366種、野鳥は108種、哺乳類は17種、両生類・爬虫類は21種、魚類は7種が確認されています。

山田緑地は、自然観察学習施設としても位置付けられており、小中学校等の教育の場としても広く活用されています。

 

芝生広場横には日本最大級のログハウスがあり、館内には山田緑地の自然や生き物の生態を解説した展示コーナーや休憩室の設備があり、市民企画の音楽会や様々なワークショップ、講座などが開催できる催し会場(会議室)も備わっています。

 

北九州市では、この森を守り・育て・学びながら、遠い未来の人々に自然保護の大切さを伝えていくために「30世紀の森づくり」を進めています。

そのため、来園者が自由に過ごし利用できるエリアを「利用区域(約40ヘクタール)」と定め、自然環境保護を優先するエリアを「保全区域」「保護区域」として区分管理されています。

『30世紀』という表現には、森の長い長い“いのち”という意味も含まれています。森が長い長い年月を経て移り変わっていく姿を見守りながら後世の人たちに豊かな自然を引き継いでいこうという思いがこの『30世紀』という言葉の中に込められています。

 

これからも私たちはこの貴重な山田の森を守り、その自然の営みから多くのことを学んでいきたいと思います。

 

 


生き物調査